基本的に「猫」がつくものが好き。
猫グッズや猫好きの人。
猫モチーフのいろんなもの。
「猫」がつくだけで異常なくらい敏感に反応してしまう。
視界に入ってくる「猫」という文字。
雑踏のなかでもはっきり聞こえる「猫」という言葉。
街のなかにある「猫」のフォルム。
無意識にすべてを追ってしまう。
そして、手に入れたくなる。
今気になっていて、いつか集めようと思っているもの。
猫が描かれているクッキー缶。
何でもかんでも猫モチーフにしてしまえば売れると思って…
とすこし皮肉ってみたりもするが、その戦略にまんまと
ハマっている自分に気づき、たまにハッとする。
クッキーと猫はいってみれば何の因果関係もない。
しかし、猫好きがクッキーなどの焼き菓子を選ぼうとしているとき、
自然に猫が描かれているものに吸い込まれる。
そして洗脳されたようにカゴへいれて会計へと流れるように
進んでいく。
またやられた。

猫好きに関しては、以前より慎重になっている気がする。
私は人見知りで、広く浅くたくさんの知り合いや友人はいない。
むしろ、必要としない。
ひとりでもいい、本当に気が合う人がいればそれでいい人だ。
こんな人見知りの私でも、猫好きとなると人が変わったように
饒舌になり、すぐにその人を自分のテリトリーに迎え入れてしまう。
🐾
会社であまり評判のよくない人がいる。
いままで何か嫌なことを言われたり失礼な態度をとったのであろう。
同僚が、「あの人には気をつけなさい」という。
あるとき、その人が猫を飼っていることを聞いた私は、
その人のことが悪い人には思えなかったのだ。
幸い、仕事上何か嫌な思いをその人から受けたこともなかった。
その人との猫の会話は盛り上がり、何かあると写真をみせてくれたり
猫の健康相談や野良猫の話をしにきてくれるようになった。
「なんであんな人と仲良くしているの?」といわれるぐらいまで
周りにも猫の話で仲良くなったことが知られていた。
いくら強面だったり、世間でいう嫌われ者だったりしても、
猫に対する愛情が同じであれば、やはり猫好きとは馬が合う。
🐾
これとまったく逆のこともある。
私と歳は同じくらい。でも私は今の会社に中途で入ったため歳は近くても
大先輩の人がいる。
会社に入りたてのころ、私と違ってキレイでメイクもばっちりで
バリバリ仕事をする姿に憧れさえも抱いていた。
その人の机には猫のカレンダーや写真、猫グッズがあふれていたので
聞かずとも猫好きなのが見て取れた。
すぐに猫の話で盛り上がり、いろいろと自分たちの猫自慢をしては
「かわいいねぇ~」の決まり文句で会話をしめくくるようになった。
しかし、その人の猫好き像はある日突然私のなかで崩れてしまった。
私の猫の話を「あれは自己満足だよね」と陰口をたたいていたり、
自分の猫を紹介するときも、「ペットショップで売れ残っていた子をうちの子に
したんです。もうかわいくて、スクラップ寸前の子を買い取ったら大儲けみたいな
感じです。」と。
その人は私の猫好きリストからすぐに消し去り、それからは仕事以外の
話はしなくなった。
猫好きにもいろいろある。
そう学んだ私は、猫好きといっても安易にテリトリーを開かず、
相手のテリトリーにも入っていかないようにしている。
入っていくのはうちの猫のテリトリーぐらいにしておこうか。

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