いくつになってもかみなりは怖い
目に刺さるような強烈な光や、腹の底まで響く石が裂けるような音
カリッ、バリバリッ、ドドーーーーン!!!!ドン!ゴロロロロ
いつもピカッと閃光が走るたびに「1、2、3…」とこころの中で数えながらかみなりとの距離をはかる
だからといって怖さが消えるわけでもないけど、光ってから音が鳴るまでの時間が長いとすこし安心する
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猫はかみなりのことをどう思っているのか
私たちと同じように気象現象のひとつとして認識できているのか
もしくは何か異常なことが起きているということしかわからないのか
どちらにしても、猫にとってもかみなりは怖いもののようだ
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この夜のかみなりもかなり激しいものだった
遠くでゴロゴロいいながら近づいてくるのとは違って
真上から予告なくいきなり落とされた感じで心の準備もできなかった
心拍数も一瞬早くなるのを感じた
猫たちも突然のことに驚いた様子
ゆったりくつろいでいたのに、急に緊張がはしる
目はコンパスできれいに描いたようにまんまるになり身構える

一発目よりもさらに過激な音とともに家が揺れるのを感じると
いよいよ背筋を伸ばして事態を把握しようと聴覚や視覚、嗅覚を総動員して警戒モード全開になる

そんな警戒もしていられないほど怖い子は
怖いものから目をそむけ、なるべく音も聞こえないように布団にもぐる
自分が小さいときにかみなりが鳴るとやっていたことと同じ行動だ
猫と私は姿かたちは違っても、本質的な行動はそれほど変わらないのだろう
そう思うとまたいちだんと猫が身近に感じる

かみなりが去ってふとんの中の子をむかえにいくと
怖くなんかなかったもん
ただ寝てただけだもん
とかわいい強がりを言っているようにもみえた
「かみなり怖かった」っていいてもいいんだよ
私も怖かったから…




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