行きたくない
会社にいきたくないよー
お前たちとずっと一緒にいたいんだよー
でも働かないと一緒に暮らすこと
すらできないんだよ…
だからがんばって行ってくるね
待っててね、いい子にしてるんだよ
♥・*:.。 。.:*・゚♡・*:.。 。.:*・゚♥・*:.。 。.:*・゚
後ろ髪をひかれながら
なるべくこころを「無」にして
会社へ向かう
そうしないと、仮病で休むこと
しか考えなくなるから
会社に着いて自分の席につき
PCの電源をいれる
いつものようにメールのチェックを
していると、手にヒリヒリとした
感覚を感じた
PCのモニターをみていた目を
マウスをにぎっている
手の甲のほうへむける
赤みを帯びた小さな線が
ハの字になっている
「あっ、モモちゃん…」
家を出るまえにストーブのところで
寝転びながら私の手にジャレて
いたモモちゃん
爪をぎゅっと出して私の手を
抱きかかえ、頭をスリスリこすりつける
まるで顔を洗ったあとにタオルで
ゴシゴシ拭いているかのように
会社に来ても猫を感じられる
なんだかほっこりしてすこし寂しい
単に引っ掻かれた爪の痕ではない
そばにいなくても猫を想えるキズ痕
痛みやつらさだけではない
幸せな爪痕の意味が
もっと広がるといいな
❝爪痕❞ 残してくれてありがと♪




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