【猫エッセイ】覚えておいてね

いつか私のことを忘れてしまったとしても
覚えておいて欲しい

私の手のぬくもりを

あなたを呼ぶ声を

抱っこされたときの景色を

誰かに毎日チュッチュされたことを

爪切りが下手くそでいつも嫌だったことを

そして、ともに暮らしたいつもの日を。

私も決して忘れないから…

皮膚が剥けそうなくらい顔を舐めてもらったことを

おしりを入念に舐めたあとの私への熱いチューを

ひざの上の重さとあたたかさを

ドタバタと走り回る足音を

おもちゃをくわえて目を輝かせていたことを

「ただいま」を待つ窓越しのあなたを

何ともいえないイイにおいのするあなたを

そして、はじめて家にきた日を。

覚えておいてね、私は忘れないから。

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