猫も風の子

いくら温暖化と騒がれていても
やっぱり冬は寒い
今年も例年どおり雪が降り
冷たい風が吹き抜ける

猫はこたつで丸くなると
昔から歌い継がれている
たしかに毎年こたつを出すと
たちまち猫で満員になる
人の足はもうしわけ程度に
猫の隙間におさまる

外はうっすら雪が積もり
白くなっていることは
猫も見えているはずで
寒いことはわかっているだろう
何度かこの冬の季節を経験しているのだから

それを知ってか忘れたのか
外に出たいとせがむ猫たち
「窓あけたって、どうせ出ないでしょ?」
「今日も寒いよ」
と言いながら渋々窓をあける

素足で外を歩くことなんて
考えられないのに
雪の上に肉球の跡をつけながら
ぴょんぴょん走る

きみたち
本当に猫なのかね?

ひとしきり
冬と雪を確めたあとは
こたつのなかで伸びている

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