朝晩はまだ肌寒い春
比較的あたたかい夜だったので、少し窓を開けていた
するとそこへ1匹の小さな虫の勇者が「ブーン」と自分の存在を知らせながら入ってくる
その姿を見つけるや否や、遊びたいのか、獲物として狩りたいのか
「キャッキャッ」と声をあげて追いかけまわす、モモ子
その様子を不思議そうに見つめている、サチ子
そんなことには目もくれず、自分のお皿に残っているご飯を食べることに集中している、ユメ子
何か騒がしい気配を感じているものの、耳だけアンテナを張りつつ寝たふりを続ける、ヒメ子
みんながそれぞれ
自由だなぁ
自由ってこういうことなんだろうな
1匹の自由を奪われた小さな虫の勇者は、ただ必死に逃げまどう
そんな光景を見ながら私は日常のひとコマを微笑ましくみていた
2024年 春の夜
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