この家で暮らしてもう何年にもなる
見慣れた家の間取りや家具の配置なはずなのに、猫にとっては毎日が新しい冒険の場所である
押し入れや普段は使わない部屋の扉を開けるたび、猫の冒険がはじまる
尻尾をたかく掲げ、目を輝かせて軽快な足取り
そこに何かまだ新しいものが眠っているのかと、こちらもわくわくしてしまう
まさか、ねずみでも入って知らないうちに我が家一員になっているのではないか・・・
猫たちの目線を追うように見渡してみるが、特に変わった様子はない
やはり何もない
少しの落胆と安堵を確認すると、猫も同じように感じたかのように掲げた尻尾を下げて通常モードへ戻る
何も変わらない毎日の中でも、猫たちは何か新しい発見を探そうとしているのだ
平凡な日常でも新しい目でみれば発見があるのかもしれない
それを猫たちが教えてくれたような気がする
猫たちは今日も探求心を忘れない
棚と壁の小さな世界を今日もまた覗いている
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