猫の記憶

「犬は3日の恩を一生忘れず、猫は一生の恩を3日で忘れる」
猫にとっては何とも失礼なたとえである。
そもそも、猫は私たちがしていることを恩だとは思っていないのかもしれない。
恩を忘れるのではなく、恩と認識していないのだ。

猫は出来事を長く覚えていられないといわれている。
しかし、決してそんなことはない。
楽しかったこと、怖かったこと、おやつがもらえたこと、怒られたこと…。
すべて覚えている。

私と遊ぶことが大好きなモモ子は、おもちゃをくわえて私のところへ持ってくる。
トイレに入っていようと、お風呂に入ろうとしてようと、
遊べ!といわんばかりに持ってくる。
くわえたおもちゃを私の足元へ放ち、得意げな顔でこちらを見上げる。
しかし、いつも持ってくるのはトイレとお風呂。
初めは何とも思わなかったが、ふと不思議に思った。

なぜこの2か所なのか?
しばらく同じことを繰り返しているうちに、納得できる答えにいきついた。

モモ子はトイレとお風呂で遊んで欲しいわけではない。

おもちゃをそこに置きっぱなしにしたくない私は
毎回おもちゃを拾ってモモ子を誘導する。
それがモモ子にとっては遊んでもらったと認識され
ここに持ってくれば遊んでもらえると記憶したのだ。

遊んで欲しくて、リビングでゴロゴロしてる私にアピールしてもあまり効果が無かった。
そこでトイレに持ってきてみたら、おもちゃを手にとってくれた。
そうか、ここに持ってくればいいのか。
そう記憶したあなたは何と健気で賢いのだろうか。
それからは、リビングでも思いっきり遊ぶようにした。

今日もモモ子はトイレに猫じゃらしを嬉しそうに持ってくる。

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